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老犬介護という言葉、
老犬介護という言葉が使われ始めたのは、ごく最近でしょう。 なぜなのか?始めて聞く方も少なくないのではないでしょうか?
日本に限りませんが、ちょっと前(10〜20年ぐらい前)には、世の中に老犬という存在が極めて少なかったのです。 ほとんどの犬は、高齢期を迎える前に、その生涯を閉じることが、ほとんどだったのです。
したがって、介護が必要となるような犬はいなかった、老犬期になるまで生きていられる犬がほとんどいなかった、といってもよいかもしれません。
野良犬はもちろん、飼い犬も同じでした。
高齢化が問題になるような犬が存在し始めたのは、最近になってからなのです。
ではなぜ、最近になって、急速に犬の寿命が述べてきたのでしょうか?
その理由は、大きくは3つあると思います。次の3つです。
・犬の住環境の変化
・犬の食生活の変化
・獣医学の進歩
それぞれについて考えてみることは、現在でも、愛犬と長く暮らしていくための参考になるかと思いますので、少し、考えてみたいと思います。
犬の住環境の変化
日本でも、最近は室内で飼われる犬が増えてきました。これは、いわゆる室内犬と言われる犬種だけでなく、今まで外飼いが普通だった犬種でも、室内で飼われるケースも増えています。室内で飼われれば、当然のことながら、外の天候、気温などの影響を受けることは少なくなります。しかも、最近のご家庭では、ほとんどのご家庭にエアコンが備えられているので、犬も、年間を通して、快適な環境で過ごせることが多いと思います。
犬が生活していく上で、天候気候的に、体に悪影響を与える要因が少なくなったこと、これも、犬の寿命を伸ばしている要因のひとつでしょう。
しかし、室内飼いが犬にとって良くて、家の外で飼うのが犬にとって悪いのか、というとこれはまた、別の問題です。
室内で暮らす犬は、環境の変化を受けにくい分、実際の環境の変化には弱くなっているのが現実です。
外飼いの犬であれば、少しぐら暑かったり、寒かったりしても、それほど犬自身の体調に影響は及ぼさないでしょう。
なぜなら、犬自身がそういう環境の中で暮らすことに対する抵抗力を持ち、また、犬の体も、その時期の環境に対応できるよう、毛が抜けたり、ふさふさになったりなど、環境に対応する能力を持っているからです。
しかし、子犬のころから室内で育った犬は、たとえそれが大きなジャーマンシェパードだとしても、暑い夏に外へ出れば、熱中症になりやすく、また、寒さに対する抵抗力も、弱くなっています。
また、室内で暮らせば、自然のものより、人間によって加工されたものに接することが多くなるでしょう。たとえば、室内の壁や床、絨毯などもそうです。最近は、そういった材料にも、環境に対する影響がかなり考えられていますが、犬によっては、人間が作った人工的な材料に、アレルギー反応を起こすこともあるかもしれません。
また、電気のコンセントや、滑りやすいフローリングの床、階段や、開閉する扉、家具など犬にとっては危険がいっぱいです。
もちろん、自然の草花や生物もアレルギーの要因となりますが、室内では、それに加えて、たくさんの危険となる可能性を持つ物と接することになります。
したがって、室内外は外飼いよりも、犬にとって良いとは必ずしも言えないと思います。
しかし、総合的に考えると、室内飼いは犬の寿命を延ばしている大きな要因であることは、間違いないと思います。
犬の食生活の変化
犬の食生活の変化の影響も少なくないでしょう。20年ぐらい前は、まだ、犬のご飯は、人間の残り飯、またご飯にお味噌汁をかけたものなどが、普通に与えられていました。
そのころから、犬にはねぎを与えてはいけないというようなことは、一部で言われていましたが、まだ広く世間に伝わるような状態ではなかったと思います。
今でこそ、犬に対する食事に関しても、塩分には十分気をつけること、犬が食べてはいけないものなどが、世間一般に広く言われるようになりましたから、人間の食事をそのまま与えるのは、よくないという認識が世の中に浸透してきました。
例えば、犬に与えてはいけない食べ物には次のようなものがあります。知っていらっしゃる方が多いかとは思いますが、参考までに書いてみました。
●ネギ類、にんにく、にらなど●貝類、タコ、以下、ナッツ類●鳥の骨、魚の骨
●ブドウ(干しブドウを含む)●じゃがいもの芽、緑色部
上に書いたものの中でも、にんにくはほんの少量であれば、体力回復に効果がある場合などもありますが、通常は与えないと考えて頂いた方がよいかと思います。
また、上記以外にも、人間用のお菓子や調味料も犬にはよくないことが多いでしょう。”犬の禁止食”としてまとめたページもありますので、ご覧になってみてください。
人間には全く問題なくても、犬にとってはそれを食べると生死にかかわる食品があり、そういった知識は、ちょっと前までは知られていなかったのが、過去の現実だと思います。そして、それによって命を落とした犬も、少なくないと思います。
そういったこともあり、現在、犬の食事には、市販のドッグフードが使われることが多いようです。確かに総合職タイプのドッグフードは無難です。しかし、メーカーにより、内容物に違いがあったり、犬によっても、種類やメーカーによって合わない場合もあるので、その犬にあったフードを飼い主さんが選んで、与えることが、犬の寿命をさらに伸ばすことにもなるでしょうね。
でも、最近は人間の食の問題も多く、実際に、少し前に、中国製のドッグフードにメラニンが混入して、そのドッグフードを食べた犬がたくさん死んでしまったという例もアメリカであったのは、記憶に新しいところです。
犬自身は、自分で自分の食べるものを選ぶことができません。飼い主さんから与えられたものしか食べられません。犬のための食選びもとても重要です。
知識と時間があれば、手作りフードが理想的かもしれませんね。
獣医学の進歩
上に書いたような、犬の生活環境の改善も犬の寿命を延ばす大きな要因であることは間違いないと思いますが、最も影響が大きいのは、獣医学の進歩、ではないでしょうか。特に、多くの犬が命を落としてきたフィラリアの予防薬の開発とその定期的な服用が一般化したことが、犬の高齢化に大きな影響を与えていると思います。
また、それ以外にも、混合ワクチンの接種率の向上、犬の健康診断の普及なども、もちろん犬の長寿命化に貢献していると思います。
そして、日本中、ほとんどどこへいっても動物病院を探すのに苦労はしない、むしろどこの動物病院に行けばよいのか迷うくらいに、動物病院が増えて、獣医師が今はたくさんいます。当然のことながら、犬に病気やけががあった時には、すぐに対応してもらえるという、環境が今は整っています。
しかし、逆にいえば、動物病院間の競争も激しく、また、実際の臨床経験がほとんどない獣医師が増えたりなど、悪い面も多くなったかもしれません。したがって、どの動物病院、またはどんな獣医師とかかわるかが、犬とその飼い主さんにとって、とても重要な問題になっている、といってもよいのかもしれません。
でも、獣医学は確実に進歩しています。適切な動物病院と信頼のできる獣医師とさえ巡り合えれば、確実に、犬と飼い主さんの生活をより長くしてくれることは間違いないでしょう。
犬も高齢化が進んだことにより、人間と同様、高齢化に起因する病気や怪我も多くなってきました。そういった時に頼りになるのは、何といっても獣医さんですからね。
犬の高齢化はまだまだ続く!?
このように、人間の高齢化が進んできたのと同じことが、犬の世界にも起きています。これからも、人間社会の生活環境の向上は続き、人間に対しても、動物に対しても医学の進歩もまだまだ続くでしょうから、人間の高齢化も進み、また、当面はそれ以上に急速に犬の高齢化も進むのではないでしょうか。だから今、こういった高齢化した犬の対応を考えるためにも、老犬介護、ということを考え始めなければいけないと思っています。
高齢化により、生活に何らかの支障が出始めた犬、また、寝たきりになってしまった犬に対して、何ができるのか、老犬たちが、少しでも快適に暮らしていけるようなお手伝いをしていきたいと思います。