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鼻、嗅覚、そして耳、聴覚は犬が人間に比べて、はるかに鋭敏な感覚でした。しかし、眼、視覚については、一部を除いて、人間の方が、優れているようです。では、以下にご紹介していきたいと思います。
犬の眼は、人間に比べると見た目がより平らです。眼球が眼窩、すなわち頭蓋骨の眼球が収まる窪み部分の深い位置にあるようです。眼瞼、すなわちまぶたの内側と角膜の外側の眼球面をおおう結膜には、たくさんの細かい血管が分布しています。
したがって、炎症が起こるとすぐに赤く充血したり、また貧血状態になると白くなるので、眼を見ればその犬の健康状態がわかるといってもいいようです。
犬には瞬膜と呼ばれる第3のまぶたがあり、眼に入った異物をその瞬膜が拭い取る役目を持っています。瞬膜は、第3眼瞼とも呼ばれています。
犬の眼は平坦だと書きましたが、犬の中でも短頭種といわれるいわゆる鼻ペチャ系のワンちゃん、ペキニーズやパグなどは目が大きく飛び出しているようにも見えますね。このような犬種では、他の犬種に比べて眼の病気や怪我が多い傾向にあるようです。
短頭種の犬の場合、眼球が眼の内側部の鼻皺壁というそうですが、この壁に接触しやすく、慢性的に接触すると視力低下、角膜の色素沈着、またよく涙が出るようになったりと、眼の疾患につながることになります。
また、こういった犬種では、ちょっとした事故でも眼球が飛び出てしまったり、また眼球の露出が大きいため、異物が入りやすく、これもまた眼の疾患になりやすい原因となります。
したがって、パグやペキニーズなどの短頭種では、特に目の注意が必要です。
さて、最初にも書きましたが、犬の視覚は、嗅覚、聴覚に比べると犬の中ではかなり鈍い感覚です。生まれたばかりの子犬は、まだ目が見えません。だいたい生後3週間ぐらいから見えるようになり始めるといわれています。
しかし、成長しても人間のような色覚はないようです。犬の網膜には、色覚をつかさどる錘状体の数が非常に少ないため、色をはっきりと識別することが出来ないのです。
でも、犬の色覚が発達していないのには理由があるようです。もともと犬は夜行性だったので、色を厳密に識別する必要がなかった、というのがひとつの仮説です。というのは、同じ眼の感覚でも明暗を区別する能力は、人間に比べてかなり発達しているのです。
さきほど犬の網膜には、色覚をつかさどる錘状体の数は非常に少ないと書きましたが、明暗を区別する桿状体(かんじょうたい)はたくさん網膜に分布しているのです。その数は人間に比べてはるかに多く、暗い中でも物を見分ける能力は、人間に比べてはるかに高いのです。
また、犬の目は遠くにある動くものに対しては敏感に反応します。自然の中では、獲物を獲るため、また外敵から身を守るために、できるだけ遠くから対処物を認識する必要があったのでしょう。その能力が野生から離れた現在も残っているということですね。
そしてその能力が生かされているのが、例えば、フリスビーなどの犬の競技でしょうか。犬は、人間に比べて目が側方にあるので、視野がとても広いのです。
そして、眼の構造として、眼球の中央にある光の通り道、すなわち、瞳孔が大きいということが、貢献しているようです。
しかし、犬の視力は人間でいうとだいたい0.3ぐらいで、特に焦点を近くのものに合わせるのが難しいようで、目の前の20〜30cmはぼやけてほとんど何もみえないそうです。
しかし、視覚猟犬といわれるグレーハウンドなどの長肢の大型犬種では、優れた視力を持つ犬種もいるよです。
このように犬の視覚は鈍いといっても、暗いところでのものの識別、また視野の広さ、遠くで動くものの存在などの識別など、実用的なところは十分な能力があるのですね。
でも、目の前のものがほとんど見えないということは、ワンちゃんに顔を寄せて話しても、あまり意味がないのかな、ということにもなるのでしょうか。もともと人間の顔が目の前に迫ってくるのは、犬は嫌いなようなので、少し離しぎみにした方が、顔もよく見てもらえて良さそうですね。