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9. 私は10年くらいしか生きられません。
   だから、できるだけ私と一緒にいてください。

      My life is likely to last 10 to 15 years. Any separation
      from you will be painful for me.

9番目の約束 「私は10年くらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください。」 

この約束を見るたびに、心が痛みます。

私たちの家族には、チロという雑種の犬がいました。主人の仕事の関係でヨーロッパへ転勤になったときでさえ、一緒にヨーロッパへ連れて行った愛犬でした。

でも、日本への帰任が急に決まった時、私たちはチロを犠牲にしてしまいました。

帰任に際して、まず考えたのが、4人の子供のことでした。一番上はちょうど中学へ入学、一番下は、小学校へ入学というタイミングだったのも、そう考えさせた理由かもしれません。そして、転勤前にいた長野から、帰任後は千葉へ移ることも大きな要因でした。

私たちは、帰国子女を受け入れることが得意と思われる小学校、中学校がある地域を探し、また、その学区になるところに新しい住まいを探しました。唯一見つかったのは、高層マンションの一室でした。そのマンション自体はペット可でしたが、その賃貸の部屋に関しては、ペット不可だったのです。

でも、すでに時間もなく、結局、そこを帰任後の住まいと決めました。チロはそこでは一緒に住めません。そこで、実家で預かってもらうことにしてしまったのです。

当時、チロと一緒に暮らし始めて、10年以上が過ぎたころでした。そして、その後、10年近くが過ぎ、チロを出会ってから、20年が過ぎ、チロとの永遠の別れとなりました。

でも、結果として、実家の父母とのゆっくりとした生活と、そして毎日しっかりと父母が世話をしてくれたことによって、ここまでチロが生きてくれたと思います。そのことが、せめてもの救いです。

でも、あらためてこの約束に出会って、このことが再び、私たちの心を痛めています。

どんな理由があったにせよ、私たちの判断は間違っていたのかもしれない・・・、と。

私たちと離れて暮らすようになり、チロはどう思っていたのか・・・。私たちが実家に行くと、いつも喜んで飛びついてきていました。でも、心の中では、言いたいことがたくさんあったことでしょうね。

そして、永遠の別れを迎える1年半ぐらい前でしょうか、ある時から、突然、チロは私たちを認識しなくなりました。目も耳も利かなくなり、痴呆が急激に進んでいきました。

そんな時も私たちは、そばにいてあげられませんでした。私たちの人生の中で悔いが残る思い出です。

私事になって申し訳ありません。犬の人生は人間に比べて、とても短いのです。獣医学が進歩しているとはいえ、今でも大型犬の場合は、10年生きれば長生きだと言われています。

チロは20年以上生きてくれました。犬としては長生きだと思います。それでも、人間に比べればはるかに短い生涯です。

チロの思い出、そして犬の生きられる時間を考えると、あらためて、今、家にいる愛犬たちがいとおしく感じてしまいます。

せめて、今いる愛犬たちとは、この9番目の約束、そして最後の10番目の約束は絶対に守りたいと思います。

さて、いよいよ最後、10番目の約束です。


 10. 私が死ぬとき、お願いです。そばにいてください。そして、どうか覚えていてください。
     私がずっとあなたを愛していたことを。


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