ボーダーコリーは、小さな愛玩犬ではありません。分類で行けば中型犬です。でも、優しい顔をしているので、特に子犬の頃は、とてもかわいらしいワンちゃんです。
そんなかわいさから、つい愛玩犬のように扱ってしまいたくなるのも無理はありません。
でも、見た目はかわいらしくても、中身は、哀願犬とは全く違います。かわいい、かわいいだけで育ててしまうと、我ままな、とんでもない、とても扱いにくいワンちゃんになってしまいます。

ボーダーコリーはとても賢いワンちゃんです。だから、教えれば、しっかりといろいろなことを覚えてくれます。でも、賢いだけに、教えてくれる人がちょっとでも甘いな、と思うと、そこにつけこんでくる、悪く言えばずる賢さも持っています。
吠えれば、誰かが声をかけてくれたり、相手をしてくれたり、ということがわかれば、その泣き方はどんどんエスカレートしていきます。
また、バリケンの中でオシッコやウンチをすれば、出してくれるとわかれば、出たいときには小分けに排泄をして、出してもらおうとします。
何かをかじって、怒られても、その怒られ方が優しかったり、女性や子供のかわいい、または甲高い声であれば、ボーダーコリーは怒られているのではなく、飼い主さんが喜んでいると受け取ってしまいます。そして、その行動は、どんどんエスカレートしていくことになります。
散歩に行って、ボーダーコリーがどんどん先に引っ張った時に、リードを持つ飼い主さんが引っ張られないように、と頑張れば頑張るほど、ボーダーコリーは飼い主さんが遊んでくれていると思い、ますます強く引っ張ろうとします。
このように、ボーダーコリーは賢いだけに、人間の心理もすばやく読み取ろうとしますが、それは、必ずしも正確に人間の心理を読み取るわけではありません。
それも踏まえたうえで、ボーダーコリーの行動をコントロールしていくのが、飼い主さんの役目であり、愛犬のボーダーコリーを人間社会で誰からも愛されるボーダーコリーへ育てていくことになるのです。
愛玩犬なら、多少吠えても、多少家の中でいたずらされても、散歩で引っ張られても、大変なことになることは、滅多にないでしょう。でも、ボーダーコリーの賢さと、ずば抜けた運動能力でそれをされたら、とても扱えたものではありません。飼い主さんだけでなく、周りの人たちにも大変な迷惑をかけることにもなりかねません。
ボーダーコリーは基本的に活発で、仕事好きです。子犬のうちも、何かをしたくて仕方ありません。何かやることはないか、賢い頭で考え、まだ制御のできない高い運動能力で動きまわります。
そして、そのままボーダーコリーのやりたいままに行動して成犬になってしまったらどうなってしまうでしょうか。
ボーダーコリーに限りませんが、特にボーダーコリーを家庭犬として飼う場合には、家庭犬としてのしつけがとても重要になります。飼い主さんがやってほしくないこと、また社会的にやってはいけないことについては、徹底的にやってはいけないということを伝えること、そしてやってはいけないということを伝えた後に犬が感じるストレスをしっかりと充分に取り除いてあげながら、ボーダーコリーに対する深い愛情を充分に伝えることがとても重要になります。
要するに、いわゆる飴とムチの両方の、振幅を大きく取る、メリハリのある飼育管理がとても重要で、その結果として、ボーダーコリーと飼い主さんとのしっかりとした主従関係と信頼関係を築いていくことが必要なのです。。
躾をすると、犬に嫌われるのではないか、あるいは、犬の性格が悪くなるのでは、と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんな心配は全く無用です。犬の祖先ともいわれるオオカミ社会では、各オオカミの上下関係がはっきりしています。自分より上のオオカミに対しては、とても従順で、無抵抗です。そして、上位のオオカミは下位のオオカミも含めて、仲間をしっかりと守ります。
基本的には犬も全く同じです。特にボーダーコリーの場合、飼い主さんにしっかりと教えられることがとてもうれしく、飼い主さんをより慕うようになってきます。性格がひねくれたり、嫌われたり、という事は全くなく、むしろその逆でどんどん主従関係と信頼関係が上がってくるのです。
ボーダーコリーにとっては遊びもひとつの仕事です。ボールやフリスビーを投げて取ってこさせるのも、ボーダーコリーにとっては仕事です。ボーダーコリーが催促して行うようなことはさせずに、飼い主さんの指示で、ボーダーコリーにボールやフリスビーを持ってこさせるという行動でなければなりません。
飼い主さんがいい加減な気持ち、単に面白がって遊んでいると、逆にボーダーコリーに飼い主さんが遊ばされている、使われている、という結果になってしまいます。そうなると、ボーダーコリーの頭の中では、飼い主さんより自分が上位だという意識になり、主従関係が逆転してしまいます。
ただかわいがってくる人、食事を与えてくれる人、散歩をしてくれる人に対しては、自分と同等、または見下すような態度となり、単なる自分の世話係ぐらいにしか思ってくれなくなるのです。
これは、家族の中でもはっきりと態度で表わしてきます。しっかりと毅然とした態度でやってはいけないことを教えてくれる人には、従順に、よりそってきますが、そうでない人には、全く違った態度を取ります。散歩にいくとその違いがよくわかるかもしれません。
これは、相手の人間の性別、年齢にかかわらず、素直に、その態度で変わってきます。だから、例え子供さんが世話をしたとしても、しっかりとした態度で接していれば、ボーダーコリーは信頼を寄せた態度になりますが、大人の男性でも、ただかわいがっているだけでは、、ボーダーコリーにとっては対等以下の存在となってしまうのです。
もちろん、いつも叱っているだけ、無視しているだけでは、嫌われることもあるかもしれません。逆にいえば、いつも叱ってばかりいる犬にならないように、飼育環境を整え、やってはいけないことは、しっかりとやってはいけないということを行動で伝え、褒めるところは思いっきり褒めてあげるのです。
これらのことはどの犬種でも重要なのですが、ボーダーコリーの場合は、しっかりとしつけることをするのとしないのでは、その差がとても大きく、飼い主さんの生活にも大きく影響するので、特にとても重要なのです。
しかし、ボーダーコリーの生涯に渡って、このようにしつけることを考えながら一緒に暮らす必要は、もちろんありません。ボーダーコリーはしっかりと教えれば、短期間でそれに従ってくれるようになります。また、しつけに失敗した2歳、3歳のボーダーコリーでもしつけのやり直しは充分にできる犬種です。(ただし、もともとの血統が攻撃性のある犬、子犬のときに人間の手をかけられずに育てられた犬は別です)
ある時期がくれば、ほとんど叱る必要がない、とても従順なボーダーコリーに変身してくれるのです。そして、それ以降のボーダーコリーとの生活を楽しく、より快適なものにしてくれるのです。
ペット・トライアングルからお渡ししたボーダーコリーでも、2歳ぐらいでしつけのやり直しで家庭犬専門トレーニングとしてお預かりすることもありますが、私たちがトレーニングをすれば、みんな1週間から2週間で私たちの言うことをしっかりと聞き、散歩でも私たちについてくるボーダーコリーに変身します。(ボーダーコリーのページのトレーニング前後のボーダーコリーの動画ををご参照下さい)
ボーダーコリーはしっかりと教えれば短期間で覚えてくれますが、問題は飼い主さんが強い覚悟と意志、そして毅然とした態度と行動でしつけトレーニングができるかどうか、ということになります。
ボーダーコリーに限らず、犬も人間と同じで、いろいろな性格があります。あまり苦労せずに、何でもできるようになる子もいるし、生後1年たっても、完全ではない子もいるかもしれません。特に、ボーダーコリーの場合は、この生後1年までは、犬も人間も、我慢が必要だという心構えを持って頂きたいと思います。
すぐにトイレを覚えてくれる子もいれば、トイレがなかなかできなくて、ウンチまみれになる子もいます。トイレを覚えても、わざとトイレ以外のところでする子もします。
人間の子供と同じで、反抗期もあります。また、成長してくると、飼い主さんを試すような行動をとることもあります。
繰り返しになりますが、ボーダーコリーは、とても賢い犬種です。
でも、何のしつけをしなくても、人間が望むようになってくれるわけではありません。何も教えなければ、また何もコントロールしなければ、ボーダーコリー自身が、自分が楽しいように、楽なようになることだけを考えて行動するようになってしまいます。
人間生活に適応した行動は、飼い主さんがしっかりと教えなければ、ボーダーコリーにはわからないのです。
最低でも生後1年までは(場合によってはもっと時間が必要な場合もありますが)、しっかりとメリハリをつけた態度で、ボーダーコリーにも接して、しっかりとボーダーコリーをコントロールできるようになるまでは、飼い主さんが我慢、我慢です。ボーダーコリーを飼うには、特にそんな心構えが必要なのです。
そして、もしその時点でうまくいかなくくても、修正はいつでも出来るのも本来のボーダーコリーです。
しっかりとしつけが身についたボーダーコリーは、とても扱いやすい家庭犬であり、そのボーダーコリーとの生活は、残りの長い生涯にわたって、しつけ中の苦労や我慢を十分以上に返してくれるものとなるでしょう。

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