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ボーダーコリー

成犬の標準的なデータ
体高 46cm~58cm 体重 14kg~20kg

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ボーダーコリーの性格

ボーダーコリーという犬種は、どういう性格を持つ犬なのか、考えてみました。考えてみたという意味は、インターネットや書籍など、いろいろなボーダーコリーに関する情報を調べた上で、私たちが接してきたたくさんのボーダーコリーから直接感じたボーダーコリーの特性を整理して見る、という意味です。

ボーダーコリーに限らずどんな犬種でもそうですが、ボーダーコリーにも、いろいろな性格の犬がいます。人間と全く同じです。

例えば、日本人はどんな性格か?と聞かれたら、一般的に言われている「勤勉で、まじめ」と答えるのでしょうか。

実際には日本人にも、いろいろな性格の人間がいます。同じように、アメリカ人、フランス人、ドイツ人、イラン人、中国人などなど、世界中のどの国にも、いろいろな性格の人がいます。

私も、ルクセンブルグというヨーロッパの小国に住んでいたときは、一緒に働いていたフランス人、ドイツ人、ベルギー人、ルクセンブルグ人と接してみて、日本人よりも、日本人らしい考え方を持っていると感じさせるヨーロッパ人も多く、日本人と全く同じ種類の人間なんだな、と改めて実感したことがあります。

実際にヨーロッパに住む前のヨーロッパ人に対する印象は、町並みなどと同様、歴史を感じさせるような、アメリカに感じるのとは逆の、ある意味では閉鎖的な部分があったり、また仕事などに対しては、あくまでも合理的で残業はしない、時間になれば仕事の途中でも帰ってしまう、というものがありました。

しかし、実際にはその先入観は全く間違っていたことに、住んでみて、また一緒に仕事をしてみて、始めてわかりました。

ただ、個々の人間と接しているとそう感じるのですが、やはりその国独自の国民性というものが感じられるときがあります。

きっと、犬も同じなのだと思います。

ボーダーコリーに関しても、実際にボーダーコリーと触れ合うようになる前は、賢く、運動能力抜群で、やはり多くの方と同様、毎日ものすごくたくさん走らせたり、運動させなければいかない、普通の家庭で飼えるような犬というイメージはありませんでした。

しかし、実際に自分でも接して、一緒に暮らすようになってみると、その印象は一変しました。なんて飼いやすい犬なんだろう、今まで接した犬の中で、最も家庭犬にふさわしいのではないか、と実感させるものでした。

そして、ほとんどの書籍で書いてある、ボーダーコリーを飼うには広い庭が必要、マンションではボーダーコリーを飼えない、というのが、全く違っていることがわかりました。ボーダーコリーは、ボーダーコリーが横たわれる大きさのハウスを置くスペースさえあれば、どこでも飼うことができるのです。

庭がなくても、犬と一緒に行ける公園や広場、またドッグランは捜せばどこにでもありますからね。

そして、たくさんのボーダーコリーと接していくと、それぞれのボーダーコリーが個性を持っていて、性格も明るく社交的なボーダーコリーから、シャイで警戒心が強いボーダーコリーまで、その性格も十人十色ならぬ十頭十色です。

ただし、性格はいろいろでも共通する特性というのも、見えてきます。

そういう意味で、ボーダーコリーも性格はいろいろだけど、犬種としての特性はあると感じています。

どのボーダーコリーにもほぼ共通しているのは、行動、動作で、ひとつは匍匐(ほふく)前進です。ほとんどのボーダーコリーが、姿勢を低くして前進するこの動作をすることがあります。

また、やたらと口を使うこともボーダーコリーの特性のひとつだと感じています。

口で人や他の犬、または物を突っついたり、咬むのではありませんが、人間が手で物を掴むような感じで、口で手や洋服のはじを掴もうとすることがよくあります。これは、見方によっては、咬むように見えますが、ボーダーコリーにとっては、全く悪気はなく、ボーダーコリー特有の行動のひとつです。もちろんこの行動はやめさせなければいけませんが、多くのボーダーコリーに見られる特徴です。

そして最もボーダーコリーに共通している特性が、極めて優れた状況把握能力です。今相手にしているのは、どんな人間か、つまりこの人だったらこうしてもだいじょうぶ、またはここだったら、こうしても大丈夫と言うことを、細かく見極めて、その相手、状況で態度を変えることです。

これは、現在のボーダーコリーが発揮する状況把握、または状況適応能力の高さを示す一端ですが、もともとこの状況把握能力、状況適応能力が運動能力にも増して、ボーダーコリーの特性を示す最も大きな要素だと思います。

逆に言えば、ボーダーコリーにしっかりと飼主が認められれば、ボーダーコリーは極めて従順かつ迅速正確に、どんな指示にも従い、その家族を大切にするとても優秀な家庭犬になってくれるのです。

では、あらためてボーダーコリーの性格について、その歴史的な背景からも考えてみたいと思います。

例えばペット・トライアングルの看板犬のボーダーコリーのミルキーは人に対して擦り寄るような感じでどんな人にも友好的ですが、常に感情を抑えたように落ち着いて行動します。またそのミルキーの子供であるマックスは天真爛漫で人に対しても、犬に対しても友好的なところは同じですが、いちいちその行動がおおげさでうれしいとき、シュンとしているときなど、その感情が顔と、行動を見ればすぐにわかると言う、単純明快な性格です。

また、お引渡ししたボーダーコリーのその後のお話などを聞いたり、またトレーニングに来るボーダーコリーの中には、動くものにやたらと反応して追いかけるボーダーコリーもなかにはいます。

車や自転車を追うボーダーコリーもいますが、太陽でできる自分の影を追ったり、夜、車のヘッドライトで出来る自分の陰を追ったり、吠えたりするボーダーコリーもいます。

また、現在ペット・トライアングルでご紹介しているボーダーコリー専門犬舎では、気性の荒い犬は交配に使わないなど、攻撃性のないボーダーコリーを排出していく努力をしていますが、そんなことは関係なくボーダーコリーを交配しているところも多く、意外に多いのが攻撃性のある、またやたらと気性の荒いボーダーコリーと言われています。

実際に、私も前記のいつもボーダーコリーをご紹介している犬舎ではないボーダーコリーをトレーニングしたときに、いきなり咬みつかれたことがあり、一般に訓練士が、ボーダーコリーは要注意犬種だといっていることを、改めて実感したことがあります。

基本的には、攻撃性はあまりない犬種というのが私のボーダーコリーに対する認識ですが、現実には攻撃性の強いボーダーコリーも少なくないのが、現実です。

ボーダーコリーのブリーダーが、ただ人気犬種だからという理由で、何も考えずに交配して、生まれた子犬も母犬任せにすれば、攻撃性の強いボーダーコリーが育ってくるのも、当然と言えば当然です。どんな犬種でもそうですが、特にボーダーコリーの場合は、その傾向が強くなる犬種であると思われます。

その理由として、ボーダーコリーという犬種が作られてきた歴史的背景があります。

ボーダーコリーの歴史のページでも書いていますが、ボーダーコリーはもともと牧羊犬として、その作業能力だけに重きを置いて改良されてきた犬種です。牧羊犬といっても、牧場をイメージするような広くて平らな草原のようなところではなく、スコットランドの、牛ではとても暮らせないような険しい山岳地帯を仕事場としてきた犬種です。

そんな環境だからこそ、極めて高い運動能力と状況対応能力を身に付けたのが、ボーダーコリーという犬種です。

羊をまとめるために、吠えたり、威嚇したり、攻撃的な行動もしたことでしょう。したがって、もともとボーダーコリーの祖先にはそういった面を持っていた犬も少なからずいたと想像できます。

しかし、ボーダーコリーについて調べていくと、現在のボーダーコリーの大元になる2頭の牧羊犬にたどり着きます。

最初の1頭は、オールド・ヘンプ(Old Hemp)という1893年に生まれた牧羊犬です。

オールド・ヘンプは「近代ボーダーコリーの父」と呼ばれている犬で、現在存在するボーダーコリーで、オールド・ヘンプの遺伝子を持たないボーダーコリーはいない、と言われています。

オールド・ヘンプは1歳でシープドッグ・トライアルに出場すると、その後出場する多くのシープドッグ・トライアルで優勝を重ねる素晴らしい能力を持った牧羊犬だったといわれています。そして、オールド・ヘンプが羊を従わせる際の最大の特徴は、「眼の力」で「静かに」羊の群れをコントロールすることだったと言われています。

つまり、それ以前の牧羊犬は吠える、威嚇するなど攻撃的な行動で羊を統率したのに対して、オールド・ヘンプはそういった攻撃的な行動は一切せず、平穏に羊を統率する能力があったとのことなのです。

このオールド・ヘンプの羊のコントロール方法で、羊たちがオールド・ヘンプを信頼したかのように彼の指示に従い、羊たちがストレスなくコントロールされることに、当時の羊飼いたちはオールド・ヘンプからあるべき牧羊犬の姿を学び、この犬を賞賛しました。

ただ、オールド・ヘンプの父犬、母犬ともずばぬけて高い作業能力を持っていたわけでもないようで、なぜオールド・ヘンプがこのような能力を持っていたのかは、わかりません。

しかしながら、このオールド・ヘンプは200頭以上のオス、数え切れないほどのメスを子孫として残し、この優れた能力を後世のボーダーコリーに残し、まさに現在のボーダーコリーは全て、オールド・ヘンプの血を引いているのは事実のように思われます。

このオールド・ヘンプは1901年に8歳で、その生涯を閉じたといわれています。

もう1頭は、オールド・ケップ(Old Kepまたは Auld Kep)と呼ばれていた牧羊犬です。オールド・ケップは、オールド・ヘンプが生涯を閉じた1901年に生まれたと言われています。

このオールド・ケップの大きな特徴も、「眼の力」であったようです。羊たちは、オールド・ケップの「視線」でコントロールされたと言われています。

そしてオールド・ケップのもうひとつの特徴が、「優しさ」であったと言われています。

前述のとおり、もともとボーダーコリーの元となる牧羊犬は、気性が荒く、攻撃的な面を持つ傾向があったようですが、オールド・ケップは極めて穏やかで優しい犬であったようです。その穏やかで優しい犬が、非常に高い羊のコントロール能力を持ち、第2回のインターナショナル・シープドッグ・トライアルのウィナーとなり、シープドッグ・トライアルで45勝をあげたとされています。

上記の2頭、オールド・ヘンプとオールド・ケップに共通しているのは、それまでの牧羊犬と違い、攻撃的な行動ではなく、静かに、羊たちにストレスを与えることなく、極めて高いレベルで、羊の群れをコントロールしたことです。

これが現在のボーダーコリーの本質だと思います。つまり、もともとの牧羊犬は攻撃的な傾向を持つ犬であったが、オールド・ヘンプを父とする現在のボーダーコリーの本来の性格は決して攻撃的ではないのです。

ただし、もともとの血筋には攻撃的な気性も入っているので、考えなしにボーダーコリーを繁殖して、愛情を持って育てないと、その攻撃的な血の強いボーダーコリーが生まれたり、攻撃的な面が環境によって強調されていくことにより、現在、攻撃的な気性、性格を持つボーダーコリーが増えているのだと容易に想像が出来てきます。

ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、またハスキーなどがそうであったように、今後、ボーダーコリーの人気が上がれば上がるほど、こういった本来持つべき性格や気性とは外れた攻撃的な面を持つボーダーコリーが増えていくことも予想されます。

さて、話をオールド・ヘンプとオールド・ケップに戻します。

オールド・ケップが生まれた1901年に、オールド・ヘンプはその生涯を閉じてしまいました。しかし、オールド・ケップの血は、オールド・ヘンプの子孫にも混じっていくことになります。

また、1906年に結成されたインターナショナル・シープドッグ・ソサエティ(ISDS)がその年に開催した最初のシープドッグ・トライアルで優勝したドン(Don)はオールド・ケップの直接の息子でした。

そのドンは、オーストラリアに輸出されたため、このオールド・ケップの血が現在のオーストラリア・ボーダーコリーに強い影響を与えていると言われています。

現在一般に、オーストラリア系のボーダーコリーは穏やかで優しい性格をしていると言われていますが、これは、オーストラリア系のボーダーコリーの大元に、ドンという「穏やか」で「優しい」オールド・ケップの直接の血を引き継ぐ犬がいるためかもしれませんね。

現在のボーダーコリーは、この2頭が大きな影響を持つことは確かなようで、前述のとおり、本来のボーダーコリーはこの2頭であると考えるならば、ボーダーコリーの本来の性格は、静かで、穏やかで、優しいというのが正解だと思うのです。

だから、ペット・トライアングルでは、この本来のボーダーコリーの気性、性格をしっかりと引き継がせようとする努力をしている、現在ご紹介しているボーダーコリー専門犬舎からのみ、ボーダーコリーをご紹介しているのです。(ジャペット共通子犬情報に掲載のボーダーコリーは別です)

その後にも、ウィストン・キャップ(Wiston Cap 1963-1979)などの有名なボーダーコリーが登場することになりますが、現在のボーダーコリーの大元は、オールド・ヘンプであり、また特にオーストラリアのボーダーコリーはオールド・ケップでもあるといってよいと思われます。

ただし、ボーダーコリーはこの犬種の生まれた背景上、その作業能力が大きく影響しています。上記のように、作業能力に優れた血筋を最優先して交配が行われることが多かったようで、ライン・ブリード、イン・ブリードと言われる、いわゆる近親交配が多くのラインで行われてきました。

また、現在でもスポーツドッグとして優れた能力を持つボーダーコリーに対しても、同様に、その競技能力の高さのみを追及するために、同様の交配が多くの犬舎で行われてきたようです。

結果として、ボーダーコリーという犬種に特有の病気の存在も、その影響を強く受けているのが事実です。

したがって、特にボーダーコリーの場合は、そこで繁殖されているボーダーコリーの能力の高さだけでなく、ブリーダーがどんな考え方でボーダーコリーをブリーディングしているかが、とても重要になるのです。

これが、ペット・トライアングルが特定のブリーダーだけからボーダーコリーをご紹介している大きな理由なのです。

ボーダーコリーは本来、オールド・ヘンプやオールド・ケップの血を引く、穏やかで優しく、かつ極めて状況把握能力、状況適応能力(=作業能力)に優れた、極めて優秀な家庭犬にもなれる犬種であるということを多くの方に知っていただきたいと思います。


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